肥満と闘うチリ当局、表示法違反でネスレとケロッグを告発
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【11月23日 AFP】南米チリの国家消費者庁(SERNAC)は22日、肥満を招く食品のパッケージに子ども向け漫画のキャラクターを使用することは肥満撲滅を目指す法律に違反するとして、朝食用シリアルを製造するネスレ(Nestle)と同業ケロッグ(Kellogg's)の2大食品メーカーを告発したと発表した。
SERNACは6月に成立した「食品表示法」に基づき、この2社に加え、チョコレート菓子「M&M」を販売するマスターフーズ(Masterfoods)を告発した。
SERNACは、不健康な原料を「『多量に含む』と分類されるさまざまな製品のパッケージに子ども向けキャラクターを使用する」ことが食品表示法違反に当たるとして、この3社を糾弾している。SERNACによると、3社はそれらのキャラクターのイラストを自社のブランドシンボルとして使用する商権を持っていると主張している。
チリは高い肥満率を抑えることを目的とした食品表示法を6月27日に成立させた。当局の推計では、同国では6歳未満の子どもの3人に1人が過体重の状態にあるという。
食品表示法では、砂糖や飽和脂肪酸など肥満を招く栄養素が多量に含まれる食品のパッケージには警告を記載することを、メーカーに義務付けている。
また甘い朝食用シリアルの箱のように、製品に子ども漫画の登場人物をあしらうことを禁止した。卵型のチョコレート「キンダー・サプライズ(Kinder Surprise)」や米ファストフード大手マクドナルド(McDonald's)の「ハッピーセット(Happy Meals)」のような、おもちゃ付きの食品の販売も禁止された。
SERNACのエルネスト・ムニョス(Ernesto Munoz)長官は、各社に11万ドル(約1200万円)の罰金を求めていることを明らかにした。(c)AFP