慣習で少女ら100人超と性交渉、HIV陽性の男に禁錮刑 マラウイ
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【11月23日 AFP】アフリカ南東部マラウイで22日、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)陽性患者でありながら「浄化儀式」と称し報酬を得て100人を超える少女や女性と性行為に及んでいた男が、「有害な慣習」を行ったとして禁錮2年の判決を下された。
禁錮刑を言い渡されたエリック・アニバ(Eric Aniva)被告(45)は今年7月に放送された英BBCラジオのドキュメンタリー番組で、地元の風習で「ハイエナ」と呼ばれる役目を務め、12歳の少女を含めて少なくとも104人の少女や女性らと性行為に及んできたと語った。
■少女との性交渉が役目の「ハイエナ」
多くのマラウイ国民が今日ではほぼ廃れた伝統だと述べているが、南部の一部地域には、身内から死者を出さないための悪霊ばらいとして「ハイエナ」と呼ばれる男性が夫に先立たれた女性と性交渉をして報酬を得る風習が今も残っている。
また、「ハイエナ」役の男性が初潮を迎えた女児の親に頼まれて、女児が女性となるための「通過儀礼」として金銭と引き換えに女児と性行為を持つ例もある。この風習は女児たちを良妻になるよう導き、家族を病気や厄災から守る効力があると信じられている。
だがBBCのラジオ番組放送後には国際的な非難が巻き起こり、アニバ被告はマラウイのアーサー・ピーター・ムタリカ(Arthur Peter Mutharika)大統領の命令により逮捕され、今月18日の公判で2件の起訴内容について有罪を宣告されていた。同種の事例で有罪判決が下されたのは今回が初めて。
■少女たちは証言せず
22日にマラウイ南部ヌサンジェ(Nsanje)県の裁判所で行われた判決言い渡しでは、大勢の傍聴人が詰め掛けた法廷でイノセント・ネビ(Innocent Nebi)判事は「夫を亡くした女性たちの感情への配慮もなく、女性の尊厳への念もない。コンドームを使用していたかどうかも疑わしい」「このような慣習はマラウイにあるべきではない」と述べ、アニバ被告に対し禁錮2年の判決を言い渡した。
無罪を主張していたアニバ被告は、判決直後のAFPの取材で「気落ちしている。執行猶予を言い渡されると思っていた」と述べた。アニバ被告の弁護士は上訴の意向を示している。
アニバ被告に対する起訴は男女平等法に基づいて行われたが、少女たちからの証言が得られなかったため夫を亡くした女性たちとの性交渉に対するもののみとなった。(c)AFP/Felix MPONDA