英バッキンガム宮殿の改修費用500億円、女王に負担求める声
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【11月23日 AFP】英ロンドン(London)にあるバッキンガム宮殿(Buckingham Palace)の大規模改修工事の費用3億6900万ポンド(約500億円)の支払いを英王室に求める声が高まっている──。オンラインでの署名集めも勢いを増しており、22日までに13万2000人がこれに同意している。
王室関係者は先週、このエリザベス女王(Queen Elizabeth II)のロンドン公邸における配線や配管、ボイラーの交換など、1950年代以来の大規模な主要改修工事計画の概要を発表した。
総額3億6900万ポンドの改修工事の資金を調達するため、英政府は、女王の公務を支える政府支給の歳費増額の承認を議会に求めている。
だが、英国国民の多くはあまり乗り気ではない。
オンラインで署名活動を始めたマーク・ジョンソン(Mark Johnson)氏は、「住宅危機は全国的で、英国民保健サービス(NHS)も危機的状況に陥っている。さらに中心的サービスの多くは緊縮財政のために削減を余儀なくされている」と指摘。「王室はバッキンガム宮殿修理のために、われわれにさらなる負担を押し付けようとしている。王室の資産は計り知れないほどある。これは、一言でいえば、言語道断だ」と憤った。
英紙サンデー・タイムズ(Sunday Times)が発表した2015年英長者番付によると、女王の資産は、推定3億4000万ポンド(約470億円)とされており、英国で302位だった。
署名した人の多くはジョンソン氏と同意見だ。数十億ポンド相当の王室の美術品や骨董品を売って改修費用に充てるべきだとの声もある。
ロンドン郊外のウィンザー城(Windsor Castle)が1992年に火災に見舞われた際にも、その修復費用が税金で賄われることへの反発があった。女王は当時、バッキンガム宮殿を初公開し、その入館料による収入で修復費用3650万ポンド(約50億円)の7割を支払うことに合意した。(c)AFP