米NY州のインディアンポイント原発、閉鎖へ一歩前進の司法判断
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【11月22日 AFP】米ニューヨーク(New York)州の上訴裁判所(Court of Appeals、同州の最上級審)は21日、ニューヨーク市郊外のハドソン川(Hudson River)沿いにあるインディアンポイント(Indian Point)原子力発電所の閉鎖へ向けて一歩前進する決定を下した。
米電力会社エンタジー(Entergy)は1974~76年にかけて運転を開始したインディアンポイント原発の二つの加圧水型原子炉について、運転認可の更新を申請している。ニューヨーク州上訴裁は、下級審の判決を覆し、この申請を同州州務省に提出しなければならないとの判断を下した。州務省は認可しない見込みだ。
アンドルー・クオモ(Andrew Cuomo)州知事は、インディアンポイントの更新申請は州沿岸部を管理・保護する同州のプログラムと適合しないとして、州務省ではすでに結論が出ていると語った。さらにインディアンポイントは老朽化しており、ハドソン川流域や沿岸部の資源だけではなく、周辺で暮らし働いている何百万というニューヨーク州民に脅威を与えていると述べた。
2011年の東日本大震災での東京電力(TEPCO)福島第1原子力発電所の事故以来、クオモ州知事はインディアンポイントの閉鎖へ向けて動いてきた。同原発は人口密度が高く緊急避難は特に困難だと考えられるニューヨークから約100キロの場所にある。
一方、同原発の支持派は、同原発がニューヨーク市の電力の4分の1を供給している点や、地球温暖化の一因である化石燃料の燃料によらずに発電している点などを強調している。(c)AFP