【11月22日 AFP】英国独立党(UKIP)が参加している欧州議会(European Parliament)の政党が、EUから受け取った政党助成金の一部を英国での活動に使用していたことが分かり、一部の返還を求められていることが分かった。欧州議会事務局が21日、明らかにした。

 政党助成金の使途を調査していた同事務局によると、EUが加盟国より優位に立つことに反対している政党「欧州における直接民主主義のための連合(ADDE) 」から提出された多くの請求書が「政党や基金に支給される助成金の規則に適合していなかった」という。

 欧州議会は「ADDEは2015年分の助成金の20%に当たる未支給分24万8345ユーロ(約2900万円)を受け取ることができない。またすでに支給済みの助成金のうち17万2654ユーロ(約2000万円)を返還する必要がある」と述べた。

 また「ADDEは、2015年の英総選挙と、EU離脱の是非が問われた2016年の英国民投票の前に英国内で9回の世論調査を政党助成金を使って行い、報告書を作成していた。この活動は欧州の政党助成金の使途に関する規則に違反している」と指摘した。

 UKIPとその共同創設者ナイジェル・ファラージ(Nigel Farage)氏(国民投票後に党首を辞任)はEU離脱の是非を問う国民投票で勝利したものの、その際に有権者から受けた支持を利用できておらず、党内抗争に悩まされている。(c)AFP