HIV治療率倍増も、アフリカ若年女性層では高い感染率 国連報告書
このニュースをシェア
【11月22日 AFP】HIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染し、抗レトロウイルス薬を服用している人の数が、過去5年間で倍増したことが、国連(UN)が21日に発表した報告書で明らかになった。その一方で、アフリカの若年女性の間では感染率が高くなっていることも浮き彫りになっている。
国連合同エイズ計画(UNAIDS)発表の最新報告書によると、抗レトロウイルス治療を受けている患者の数は、順調に行けば2020年までに目標の3000万人に到達する見込みだという。
UNAIDSは声明を発表し、「2016年6月までの時点で、薬にアクセスできた患者の数が、子ども91万人を含む約1820万人となり、5年前に比べて倍増した」と述べた。
一方で報告書は、一部の若年女性が非常に大きなリスクに直面していることにも触れた。
世界では2015年、毎週7500人以上の10代少女と若年女性がHIVに感染した。感染者の大半がアフリカ南部で発生していた。
若年女性と少女の間での感染率の高さの背景には、その多くの場合、「シュガー・ダディー」や「恵みを与える者」として知られる、財力を利用して若い女性と交際する年上男性の存在がある。
報告書によると、南アフリカの調査データは、若年女性と10代少女が成人男性からHIVに感染していることを示しているとされ、男性が中年期以降にHIVに感染し、その後、感染のサイクルを継続させるケースが多いのだという。
南ア・クワズールー・ナタール(KwaZulu Natal)州で実施された調査では、自身のHIV陽性を把握している男性は全体の26%にとどまり、また治療を受けている男性は5%にすぎないことが判明したと、報告書は指摘している。(c)AFP