【11月22日 AFP】フィリピン議会に提出された、一部刑罰の対象となる最低年齢を9歳に引き下げる法案について、国連(UN)や人権団体が21日、懸念の声を上げた。

 死刑の復活に加え、刑事責任を問うことができる最低年齢を15歳から9歳に引き下げる同法案については、ロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)大統領も支持を表明しており、ドゥテルテ派の議員らが今年中の成立を目指している。

 ドゥテルテ氏が今年5月の大統領選で勝利した主な理由は、何万人もの麻薬密売人を殺害するという公約に加え、未成年者らが密売人によって麻薬の「運び屋」にされる実態を生んでいる少年法の抜け穴をふさぐと言明していたことにあった。

 フィリピンは、12歳未満の子どもに対する刑罰は容認されないと定めた「子どもの権利条約(UN Convention on the Rights of the Child)」の締約国の一つ。

 国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)は21日にAFPに送付した声明で、フィリピンに対し国際義務の再確認を促したことを明らかにした。

 また人権団体は、法案を支持している議員らに再考を呼び掛けるため、「#ChildrenNotCriminals(子どもは犯罪者ではない)」というハッシュタグを用いた運動を展開している。(c)AFP