【11月21日 AFP】米次期大統領として新政権の閣僚人事を進めるドナルド・トランプ(Donald Trump)氏は20日、次期国防長官候補として前日に会談したジェームズ・マティス(James Mattis)元海兵隊大将(66)を「大将の中の大将だ」と褒め称えた。

 トランプ氏は短文投稿サイト、ツイッター(Twitter)で「昨日会った次期国防長官候補のジェームズ・"マッド・ドッグ(狂犬)"・マティス大将には大変感銘を受けた。大将の中の真の大将だ!」と述べた。一方のマティス氏も19日の会談後、トランプ氏は「本物だ」と述べた。

 マティス元海兵隊大将は、2010~2013年まで米中央軍(US Central Command)の司令官を務め、米軍のイラク撤退やアフガニスタンへの増派を指揮した。個性の強い司令官で、読書家としても知られ、かつて「礼儀正しく、プロフェッショナルたれ。ただし出会った相手は、全員殺すつもりで」と発言したこともある。

 トランプ次期米大統領は20日も、自らが所有するニュージャージー(New Jersey)州のゴルフ場で他の閣僚候補数人と会談した。だが、米政権の主要閣僚に関するこれまでのトランプ氏の選択は、市民的権利の観点から、民主党その他の方面から非難を浴びている。

 トランプ氏は、司法長官に超保守派のジェフ・セッションズ(Jeff Sessions)上院議員(69)、中央情報局(CIA)長官にタカ派のマイク・ポンペオ(Mike Pompeo)下院議員(52)、大統領補佐官(国家安全保障問題担当)にマイケル・フリン(Michael Flynn)元陸軍中将(57)を指名。さらに超保守派の運動勢力「オルタナ右翼」のイデオローグとされるスティーブ・バノン(Steve Bannon)氏(62)を首席戦略官・上級顧問に起用し、さらに批判を招いている。

 しかしトランプ氏は、一時期は敵対関係にあったミット・ロムニー(Mitt Romney)元マサチューセッツ(Massachusetts)州知事に次期国務長官職を打診するなど、共和党穏健派との関係修復にも動き出している。20日には、政権移行チームの責任者を解任されたクリス・クリスティー(Chris Christie)・ニュージャージー(New Jersey)州知事をトランプ・ナショナル・ゴルフ場(Trump National Golf Club)に招待して会談を行った。(c)AFP/Don Emmert, with Ivan Couronne