WADA「トンネルの終わりに光が差している」、露のドーピング改革に一定の評価
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【11月21日 AFP】世界反ドーピング機関(WADA)の事務局次長を務めるロブ・ケーラー(Rob Koehler)氏は20日、ロシアの反ドーピング改革について、「トンネルの終わりに光が差している」と一定の評価を示した。
英スコットランド(Scotland)のグラスゴー(Glasgow)で開かれたWADAの理事会でケーラー氏は、「われわれは正しい道を歩んでいると思う。トンネルの終わりに光が差している」と話している。
同時にケーラー氏は、今でもロシアにはWADAの立ち入りが許可されていない「秘密都市(軍事都市)」があり、最終的には問題なく完了したものの、英国の半ドーピング機関が実施した検査が制限されていたなど課題にも言及している。
また、ケーラー氏は、ロシア政府による捜査の一環で実質的に封鎖されているとして、自身のチームがモスクワ(Moscow)の反ドーピング研究所に保存されているサンプルを利用できないと不満を示している。
一方でケーラー氏は、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領が議長を務めるロシアの新たな反ドーピング委員会の設立を歓迎している。この委員会は、ロシアの反ドーピングプログラムの一新を目的に設立された。
プーチン大統領は、スポーツ省のユーリ・ナゴルニフ(Yury Nagornykh)副大臣及び、ビタリー・ムトコ(Vitaly Mutko)前スポーツ相のアドバイザーを務めたナタリア・ジェラノワ(Natalia Zhelanova)氏を追放している。WADAのリチャード・マクラーレン(Richard McLaren)氏の報告書によると、両氏はロシアのドーピングスキャンダルにおいて主導的な役割を果たしたとされている。
しかしながらケーラー氏は、ロシアのスポーツ省は、マクラーレン氏の報告書には「偽造」があるとして、報告書の結論を受け入れていないとしている。