【11月20日 AFP】インド北部ウッタルプラデシュ(Uttar Pradesh)州のカンプール(Kanpur)付近で20日早朝に起きた急行列車の脱線事故は、警察発表から死者の数が100人を超えたことが明らかになり、近年のインドにおいて最悪の鉄道事故の一つとなった。現場では大破した車両に閉じ込められた生存者の捜索作業が続いている。

 14両編成の列車がカンプール郊外で脱線した時、ほとんどの乗客は就寝中だった。

 乗客らはショックを受けた様子で、激しい衝撃音で目が覚めたと語った。中には、一緒に乗っていた家族の救出を待っている人もいた。

 乗客の男性の一人は「今朝、ものすごい音で目が覚めた。あたりは真っ暗で、その音は耳をつんざくようなごう音だった。無事で生き延びて私は幸運だった。もう死ぬかと思った」と事故当時の様子を回想した。

■芯まで震えた

 インド東部パトナ(Patna)から家族とともに列車に乗ったある女子学生は、目にした乗客らの遺体がずっと脳裏を離れないだろうと話した。「これまでこんな光景は見たことがない。体の芯まで震えた」

 インドは結婚式のハイシーズンを迎え、脱線した列車には婚礼に向かう団体が少なくとも1グループ乗っていた。

 結婚式を控えたある女性は事故で腕を骨折しながらも、必死で父親を捜していた。女性はPTI通信(Press Trust of India)に、「あらゆる場所を捜している」と話した。

 今回の事故は、2010年に西ベンガル(West Bengal)州で旅客列車が貨物列車に衝突し146人が死亡、200人以上が負傷した事故以来、最悪の鉄道事故となった。(c)AFP