シリア・アレッポに大規模攻撃、15日以降の死者100人近くに
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【11月20日 AFP】内戦が続くシリアで19日、同国第2の都市アレッポ(Aleppo)の反政府組織が掌握する地域で政府軍による空爆と砲撃が行われ、民間人31人が死亡した。同地域では病院が破壊され、学校も閉校に追い込まれている。
AFP特派員によると、荒廃したアレッポ東部の住宅街を標的にして、空爆や迫撃砲、たる爆弾などによる容赦ない攻撃が行われているという。
同市で救助活動を行う市民の人命救助部隊「ホワイト・ヘルメット(White Helmets)」は同団体のフェイスブック(Facebook)ページで公開した動画の中で、「政府軍の包囲下にあるアレッポでは、あらゆる兵器による前代未聞の攻撃が行われた悲劇的な一日となった」と述べた。
シリア政府軍は15日、反体制派が掌握するアレッポ東部の奪還に向けた新しい作戦を開始していた。監視団体によると15日以降に死亡した民間人は100人近くに上った。
米国のスーザン・ライス(Susan Rice)大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は、米政府は「最も強い言葉で、医療インフラと人道支援職員に対するこの恐ろしい攻撃を非難する」と述べた。「シリア政府とその同盟国、特にロシアは、これらの行為の結果がシリア国内外に与える短期的、長期的な影響について責任がある」
ロシア政府は、アレッポ県に隣接するイドリブ(Idlib)県内の反体制派やイスラム過激派への攻撃に集中しているところであり、現在行われているアレッポへの攻撃には関与していないと述べた。
シリアでは2011年3月に反政府デモがきっかけとなり内戦が勃発して以来、これまでに30万人以上が死亡した。かつては商業都市として栄えたアレッポは、戦闘により荒廃している。
2012年の半ば以降、アレッポの西側は政府側が、東側は反体制派が掌握し、アレッポは分断されている。反体制派が掌握する地域には現在も25万人以上の住民が残されており、今年7月から政府軍に包囲されている。
今年7月以降、アレッポ東部に援助物資は一切入っておらず、住民らは食料、燃料、水が不足し、長時間の停電が起きていると伝えている。(c)AFP/Karam al-Masri