【11月19日 AFP】ラップ界のスーパースター、カニエ・ウエスト(Kanye West)さんが17日、米大統領選では共和党候補のドナルド・トランプ(Donald Trump)氏を支持していたと公演中に打ち明け、ファンを騒然とさせた。一方、2020年の次期大統領選に出馬する考えを捨てていないことも示唆した。

 今回の大統領選では、ミュージシャンやアフリカ系米国人の間では民主党候補のヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)前国務長官を支持する声が圧倒的だった。しかしウエストさんはこの日夜、カリフォルニア(California)州サンノゼ(San Jose)で行った公演で、投票には行かなかったと聴衆に明かした上で、投票したならトランプ氏を選んでいたと語った。

「俺はセレブだから、(トランプ氏の)討論を大いに気に入っていたことを人前では話すなと周りから言われていたんだ。だけど、彼のやり方はすごく好きだった」。ステージ上で長広舌を振るったウエストさんはそう吐露した。これには客席から激しいブーイングが湧き起こり、ソーシャルメディアでも驚きの声が次々と上がった。

 トランプ氏は不法移民の強制送還などを公約に掲げ、白人の労働者階級から支持を集めた。ウエストさんは、トランプ氏が人種差別を顕在化させることで変化をもたらすかもしれないと主張。「人々が人種差別主義者で、自分の思いを口に出したい気持ちが強くなってくれば、自分をさらけ出すようになっていくはずだ」と持論を語った。

 トランプ氏と同じくリアリティー番組で一躍有名になったタレントのキム・カーダシアン(Kim Kardashian)さんを妻に持つウエストさんは昨年、2020年の米大統領選に出馬する意向を明らかにしていた。

 17日の公演では、至って真面目な調子で「2020年の話をするのは、俺たちの大統領をばかにしたいからじゃないよ。みんなをどう結び付けていくか、俺なりの考えがあるんだ」と明かした。

 さらにウエストさんは、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領とクリントン氏はトランプ氏の相談役を務めるべきだとの考えも披露し、「みんなの考えを合わせたもの」で米国を動かしていくべきだと訴えた。(c)AFP