【11月18日 AFP】フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)大統領は17日、ロシアが国際刑事裁判所(ICC)への加盟取りやめを決めたことを引き合いに、フィリピンもICCから離脱する可能性があると威嚇した。大統領は自身が進める麻薬撲滅戦争をめぐり、超法規的な殺人が多数行われているとして国外から批判を浴びている。

 ロシアは16日、ICCは「偏向していて非効率」だとして、ICCの設立条約であるローマ規程(Rome Statute)への署名を正式に撤回した。

 ドゥテルテ大統領はペルーで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議への出発に先立ち、地元ダバオ(Davao)で記者会見を行い、「彼ら(ロシア)は国際刑事裁判所を役立たずだと考えたんだろう。だから加盟を撤回したのだ」と発言。

 その上で「私もそれに続くかもしれない。こうした恥知らずなやつらは、われわれのような小国だけを狙っていじめるからだ」とぶちまけた。

 フィリピンは、戦争犯罪などを裁く世界で唯一の常設の裁判所であるICCに加盟している124か国の一つ。ロシアは条約への署名は行っているが加盟はしていなかった。

 ドゥテルテ大統領はまた、国連(UN)はおびただしい数の女性や子供が犠牲になっている戦争を終結できていないとやり玉にあげ、フィリピンが国連から脱退する可能性を改めてほのめかした。

「中国とロシアが新たな秩序をつくり出すことを決めれば、私はそれに最初に参加する」と宣言した。(c)AFP