【11月25日 AFP】アラブ首長国連邦(UAE)で、中東初となる大気中の二酸化炭素(CO2)を回収、貯留する施設が、稼働を開始した。開発業者とエネルギー相が今月初め、明らかにした。

 CO2の回収、貯留、再利用を行う会社「アル・リヤダ(Al Reyadah)」によると、この種のものとしては中東・北アフリカ(MENA)で初とされるこの施設は、年間で最大80万トンのCO2を回収することができる。

 施設は、アブダビ(Abu Dhabi)にある鉄鋼大手エミレーツ・スチール・インダストリーズ(ESI)から排出されるCO2を回収し、その後、回収したCO2は石油生産増加のために国内の油田に注入するという。

 スハイル・ムハンマド・マズルーイ(Suhail al-Mazrouei)エネルギー相は、「CO2排出に関して施設の準備が整えば、自動車17万台を通りから取り除くようなものだ」と述べた。

 同エネルギー相によると、この施設の計画は「長年にわたって」研究されてきたもので、そのコストは約4億5000万ディルハム(約138億円)だという。

 研究者らによると、CO2の回収は、気候変動の一因となる温室効果ガスの一つであるCO2の排出を削減するための良い解決法だという。

 CO2の回収を目指す同様の計画は、サウジアラビアを含む他の国々でも進められている。 (c)AFP