【11月17日 AFP】地中海(Mediterranean)で欧州を目指す移民らを乗せた小型船が転覆する事故が相次ぎ、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の集計によると、今週に入って既に240人余りが死亡した。関係各国当局が16日、明らかにした。

 地中海では冬を迎えて天候が悪化しているが、移民らを乗せてリビアから欧州を目指す船が後を絶たない。12日から16日までに、海上航行に適さない小船にひしめき合う移民ら計3200人余りが救出されたが、この人数は昨年11月1~30日に救助された移民数に匹敵する。

 今回発表された死者数は、UNHCRが14日に行った転覆した小型船の生存者15人への聞き取り調査をもとにまとめたもの。この転覆事故では135人余りが海に投げ出され、死亡したか行方不明になっている。一方、15日にも小型船が転覆し95人が死亡したとみられている。

 生存者の証言や収容した遺体数に基づくUNHCRの試算によれば、欧州を目指して地中海を渡ろうとした移民の死者数は、年初からこれまでに4500人を超えたことになる。(c)AFP/Ella IDE