スラバヤ沖海戦の沈没艦、残骸消える 金属くず目当てか
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【11月17日 AFP】第2次世界大戦(World War II)の主要海戦で沈没した英軍艦数隻の残骸が金属スクラップ目当てに持ち去られたとみられると報道されたことを受け、英国はインドネシアに調査を求めた。
英国防省の報道官は16日、「1942年に行われたスラバヤ沖海戦(Battle of the Java Sea)で失われた多数の英国海軍艦艇が違法に引き揚げられたとの報道を受け、英国政府は心を痛めている」と述べた。
この発表は、英紙ガーディアン(Guardian)が英軍艦3隻と米潜水艦1隻が違法な金属スクラップ回収業者によって破壊されたと報道したことを受けて行われた。
ガーディアンは、沈没艦調査隊の予備報告書を引用して、重巡洋艦「エクセター(HMS Exeter)」、駆逐艦「エンカウンター(HMS Encounter)」の残骸のほぼすべてと駆逐艦「エレクトラ(HMS Electra)」の残骸の一部が消えていたと報じた。米軍の潜水艦「パーチ(USS Perch)」の残骸もほぼすべてが消えていたという。
4隻は大日本帝国海軍が英、米、オランダ、オーストラリアの連合国軍に圧勝したスラバヤ沖海戦のさなかに沈没した。同海戦は連合国軍の最も壊滅的敗北の一つとされている。
英国防省の報道官は、英国はインドネシア当局に接触して同報道に対する「深刻な懸念」を表明し、さらなる外部の干渉から沈没海域を保護するべく「適切な措置」を取るよう求めたと述べ、「軍艦の残骸はそのままにしておかなければならない。(沈没艦に)乗艦していた戦没者たちは安らかに眠ることが許されるべきだ」と付け加えた。
海軍の艦船と戦没者の墓は国際法によって保護されており、沈没艦に対する冒涜(ぼうとく)は違法行為となる。