【11月16日 AFP】米国の次期大統領に選出されたドナルド・トランプ(Donald Trump)氏の娘イヴァンカ(Ivanka Trump)さんが、父親とテレビ番組に出演した際に身に着けていたゴールドのブレスレットの宣伝メールをめぐって、ちょっとしたスキャンダルに巻き込まれている。

 トランプ氏は来年1月20日の大統領就任に向けた政権移行チームにイヴァンカさんら成人した実子をメンバーに加えており、宣伝メールは利益相反を生じかねないとの問題を示唆している。

 事の発端はイヴァンカさんがテレビ出演した翌日の14日、イヴァンカさんの名を冠したブランド「イヴァンカ・トランプ・ファインジュエリー(Ivanka Trump Fine Jewelry)」が世界のファッションジャーナリストに宛ててイヴァンカさんのブレスレットを宣伝するアラートメールを送信したことだった。

 メールは価格が1万ドル(約110万円)を超える高級ラインアップがそろった「メトロポリス(Metropolis)」コレクションを宣伝するもので、一押し商品としてゴールドとダイヤモンドのブレスレットが紹介されている。さらにメールには、大統領選の勝利以後、トランプ氏が一家で初めてテレビ出演した13日放映の米CBSインタビュー番組「60ミニッツ(60 Minutes)」で同じブレスレットを身に着けて椅子に座ったイヴァンカさんの画像も添付されていた。この番組は全米の2000万人が視聴していた。

 イヴァンカさんの画像付きメールは、瞬く間にソーシャルメディアで拡散。これが、トランプ氏が来年1月に大統領就任を控えたこの時期に政治とビジネスの境目を曖昧にしているとして、非難の嵐が巻き起こっている。

 AFPが「イヴァンカ・トランプ・ファインジュエリー」にコメントを求めたところ、返答は得られなかったが、米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)は、同ブランドの代表を務めるアビゲイル・クレム(Abigail Klem)氏の話として、問題のメールはマーケティング部門の社員が「良かれと思って慣習的な手順に従って送信したもの」と報じた。この社員は「われわれの多くと同様」に、選挙後の現実への適応に追われているという。(c)AFP