【11月16日 AFP】2018年サッカーW杯ロシア大会(2018 World Cup)南米予選は15日、各地で行われ、本大会出場圏外に低迷していたアルゼンチンが3-0でコロンビアに快勝した。しかし、直接FKを決めるなどの活躍をみせたリオネル・メッシ(Lionel Messi)は、チームメートの薬物疑惑を報じたメディアに怒りをあらわにし、今後の取材を拒否すると表明した。

 スペイン1部リーグのFCバルセロナ(FC Barcelona)でプレーするメッシは、前半10分に見事な直接FKを決めてチームに先制点をもたらすと、さらにはルーカス・プラット(Lucas David Pratto)とアンヘル・ファビアン・ディ・マリア(Angel Fabian Di Maria)のゴールをアシストする極上のプレーで観客を魅了し、チームを勝利に導いた。

 勝利から見放されたここ4試合で勝ち点を2ポイントしか稼げず、W杯出場圏外の南米予選6位に転落していたアルゼンチンだが、この勝利で出場圏内の5位に浮上した。ところが、その喜びは長く続かず、試合後の会見では、取材ボイコットという爆弾が投下された。

 原因は試合前、記者の一人がツイッター(Twitter)でエセキエル・ラベッシ(Ezequiel Lavezzi)が大麻を吸ったとする不正確な情報をつぶやいたことだった。これを受けてメッシはチーム全員を代表し、今後一切の記者会見を拒否すると報道陣に通告した。

 アルゼンチン代表の主将を務めるメッシは、「僕たちは報道陣にはもう何も話さないと決めた。理由はよくわかっているはずだ。大変な言いがかりだし、まったくもって敬意を欠いている。『ポチョ』(ラベッシの愛称)に対する仕打ちはひどすぎるものだ」とコメントした。

「みなさんのほとんどが、この失礼なゲームの参加者でないことは承知している。僕らは勝とうが負けようが、良いプレーをしようがひどいプレーをしようが批判されるし、それはまだ受け入れられる。だけど今回の一件は個人の生活を踏みにじっている。ここで歯止めをかけなければ、永遠に終わらない」

 ラベッシ本人は大麻を吸ったことを否定しており、法的措置を取ると明言している。ピッチ上では力強い勝利を収めたアルゼンチンだったが、ボイコットの話題に明るいムードは吹き飛ばされてしまった。(c)AFP/Daniel MEROLLA