【11月15日 AFP】中国・河北(Hebei)省で自宅を強制的に取り壊された恨みから村長を殺害した死刑囚の刑が15日、執行された。この事件では情状酌量の余地があるとして、弁護団やインターネット・ユーザーらが減刑を訴える運動が起きていた。

 中国の国営メディアが伝えたところによると、賈敬竜(Jia Jinglong)死刑囚は2013年に自宅を強制解体されたことを恨み、15年に工具のネイルガン(くぎ打ち機)を使って自分が住む村の村長を殺害した。

 国営英字紙・環球時報(Global Times)によれば、賈死刑囚は自宅を強制解体された数週間後に結婚式を控えていた。また自宅解体に当たって補償を拒否されたり、殴られたりしていた。こうした経緯から中国のソーシャルメディア上で大きな議論となり、死刑の取り消しを求める署名が多数集まっていた。また賈死刑囚の家族の弁護団は、刑の執行猶予を求める書簡を裁判所関係者らへ送っていた。

 中国地方部の集落などでは開発事業を進めるに当たって地元当局者による暴力的な土地収用や村民への立ち退きの強制が社会的怨恨(えんこん)を招く大きな原因となっており、事件や騒動も起きている。(c)AFP