【11月15日 AFP】米プロバスケットボール協会(NBA)、ニューヨーク・ニックス(New York Knicks)の球団社長で、計11回のNBA制覇を誇る名将として知られるフィル・ジャクソン(Phil Jackson)氏は、契約をオプトアウトする権利を持っているものの、古巣のロサンゼルス・レイカーズ(Los Angeles Lakers)に戻る計画はまったくないと話している。

 14日に放送された米スポーツ専門チャンネルESPNのインタビューで、ジャクソン氏はレイカーズに復帰する選択肢を残しておくことは、自身にとって「決して重要ではなく」、同チームによるルーク・ウォルトン(Luke Walton)新ヘッドコーチ(HC)の下での動きを好意的にみていると明かした。

「彼らは正しい方向に向かっている。ルークが選手たちを集中させているし、アシスタントコーチにはブライアン・ショー(Brian Shaw)がいる。仕事を遂行するための大黒柱が存在しているんだ。レイカーズの一員に戻ることは、私にとって決して重要ではない。特に現在はそうだ。私には自分の仕事がある」

 レイカーズの社長兼共同オーナーであるジーニー・バス(Jeanie Buss)氏という婚約者がいるジャクソン氏は、マイケル・ジョーダン(Michael Jordan)を擁するシカゴ・ブルズ(Michael Jordan)で1990年代に計6度の優勝を果たすと、その後もレイカーズで通算5回のNBAファイナル制覇を成し遂げている。

 レイカーズ・バスケットボール運営部門のジム・バス(Jim Buss)上級副社長は、今季のチーム成績が振るわなければ辞任する意向を示しており、ジャクソン氏がニックスを見捨ててロサンゼルス(Los Angeles)に戻るのではという臆測が飛び交っている。今季の戦績を6勝5敗としているレイカーズは、ジャクソン氏の下で王者に君臨した2010年以降、プレーオフではカンファレンス準決勝止まりとなっている。

 しかし、ニックスの球団社長として3年目を迎えているジャクソン氏は、契約をオプトアウトできる権利を保持した理由は、オーナーと選手会による現行の労使協定が2017年に破棄され、現時点で可能性は極めて低いもののロックアウトになる場合に備えただけだと強調する。

「仮に12月にそれが現実味を帯びてきて、皆が去る決断をするとなれば、私に仕事がないのに3~4か月もニューヨーク(New York)にとどまる意味はない。なぜなら、選手たちが仕事に来られなくるからだ。だから、そうなった場合はロサンゼルスに戻ることになるだろうが、私としては(オプトアウトを)望んでいない。私はニックスが再び勝負できるチームになる道を模索している」

「このチームを優勝争いができるレベルに導くという、自分に求められた仕事に満足する前に優勝する必要があるかって? そうは思わない。われわれは前に進み始めたばかりだ。ここでの仕事を大いに気に入っているが、まだやるべきことは残っている」

 今季もこれまで4勝6敗と出遅れているニックスは、17勝65敗に終わった2014-15シーズンに続き、昨季も32勝50敗と低迷しており、イースタンカンファレンス決勝に進出した1999-2000シーズン以降、プレーオフで1回戦を突破したのは1度だけとなっている。(c)AFP