【11月14日 AFP】アラブ首長国連邦（UAE）ドバイ（Dubai）のビジネス界の重鎮、モハメド・アラバル（Mohamed Alabbar）氏は13日、サウジアラビアの政府系ファンドおよび中東の投資家たちと合弁会社を設立し、中東を網羅する10億ドル（約1070億円）規模の電子商取引サイトを立ち上げると発表した。

　電子商取引サイト「Noon.com」を来年1月に開設する新合弁会社は、サウジアラビアの政府系ファンド「パブリック・インベストメント・ファンド（Public Investment Fund）」が50%出資。残りをアラバル氏が率いる約60人の投資家の出資で賄う。

　記者会見でアラバル氏は、ドバイにサッカー・スタジアム60個分の広さの巨大倉庫を、さらにサウジアラビアの首都リヤド（Riyadh）とジッダ（Jeddah）に配送センターを建設すると語った。

　世界一の高さを誇る超高層ビル「ブルジュ・ハリファ（Burj Khalifa）」を手掛けた不動産開発大手、エマール・プロパティーズ（Emaar Properties）の会長でもあるアラバル氏は、会見で「世界的プレーヤーを目指すつもりだ」と語ったが、当面はサウジアラビアとUAEに軸足を置くとした。来年末から2018年初頭にかけては中東最大の人口を抱えるエジプトへとサービス範囲を広げる考えだ。

　商品は在庫点数2000万個を足掛かりに、ファッション、書籍、家庭・園芸用品、電化製品、スポーツ＆アウトドア、健康美容用品、日用品、玩具、子ども向け商品やベビー用品までを取りそろえるという。

　中東地域では急速に電子商取引の習慣が広がっており、2005年創業のオークションサイト「Souq.com」はしばしば「中東のアマゾン・ドットコム（Amazon.com）」と称されている。(c)AFP