【11月14日 AFP】(写真追加)ニュージーランド14日未明、マグニチュード(M)7.8の地震が発生し、少なくとも2人が死亡した。津波警報が発令され、沿岸部の住民は避難した。

 夜が明けて、被災地の状況が少しずつ明らかになり始めた。同国南島(South Island)では、土砂崩れのために一部遠隔地域へのアクセスが断たれた他、電話線も寸断している。その間、強い余震が数時間にわたり続いた。

 同国のジョン・キー(John Key)首相は本震発生から7時間後、2人の死亡を確認。今後、犠牲者の数が増える恐れもあると述べた。

 警察当局は現在、南島の都市クライストチャーチ(Christchurch)から北に150キロ事故現場への到達を試みている。もう1人の犠牲者は付近の漁村カイコウラ(Kaikoura)で歴史的建造物が倒壊した際に巻き込まれたという。

 キー首相は、通信関連の問題により情報の入手が困難であるとしながら、「現時点では、犠牲者についての詳細を公表することは不可能」と述べた。また被災地にヘリコプターが向かっており「被害の状況が分かり次第、次の対策を講じることができる」とした。

 地震発生直後には、南島沿岸と北島東岸で津波警報が出され、警察と緊急救助隊が地域の各家を回って避難を促した。

 同国の緊急管理体制を担当する民間防衛省は当初、最大5メートルの「破壊的な津波」の発生する恐れもあると警報を発令。最初の津波は約2メートルを観測した。地震発生から4時間後、同省は警報のレベルを引き下げたが、まだまだ予断を許さない状況とした。

 米地質調査所(USGS)によると、地震は14日午前0時2分(日本時間13日午後8時2分)に発生。震源の深さは23キロで、震源地は南島ノースカンタベリー(North Canterbury)地区と発表された。

 同国史上最大規模となった今回の地震は、クライストチャーチで5年前に起き、185人が死亡したマグニチュード(M)6.3の地震を否応なしに想起させるものとなった。

 本震後の余震で住宅損壊の被害も報告されている。道路や鉄道も不通となりフェリーの運航も中断されているという。(c)AFP