【11月14日 AFP】イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の支配下にあるイラク北部モスル(Mosul)の奪還作戦を進めているイラク軍は13日、同市の南に位置し、ISに破壊された古代アッシリアのニムルド(Nimrud)遺跡を奪い返したと発表した。

 先月17日にモスル奪還作戦を開始したイラク軍は先週、モスルの南東約30キロに位置するニムルドに向けて進軍していた。

 イラク軍第9機甲師団のサアド・イブラヒム(Saad Ibrahim)准将はAFPに対し、「ノマニヤ(Al-Nomaniyah)、ニムルド(Al-Nimrud)両村とニムルドの古代遺跡を奪い返した」と明らかにした。

 イラク統合作戦軍(Joint Operations Command)はこれに先立ち、ニムルド全体を奪還したと発表していたが、後に事実ではなかったとして訂正した。

 ニムルドは紀元前13世紀に建設が始まり、一時アッシリア王国の首都にもなった。歴代の王が巨大な王宮や記念物などを建設し、過去150年以上にわたって考古学者による調査が行われていた。

 しかしISは昨年4月、戦闘員がニムルドの記念物を壊し、さらに遺跡一帯に爆発物を仕掛けて爆破する様子を撮影した動画を公表した。

 ISはニムルドのほかにも、モスルの南に位置する砂漠地帯のハトラ(Hatra)遺跡や、隣国シリアのパルミラ(Palmyra)遺跡なども破壊している。(c)AFP/Maya Gebeily with Safa Majeed