パリ襲撃被害の米バンド、再開した劇場から追い返される
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【11月13日 AFP】昨年11月の仏パリ(Paris)同時襲撃事件で90人が犠牲となったコンサートホール「バタクラン(Bataclan)」で12日、事件当夜に公演を行っていた米ロックバンド「イーグルス・オブ・デス・メタル(Eagles of Death Metal)」が同ホール再開公演への入場を拒否された。バンドのリードボーカルが襲撃事件をめぐって物議を醸す発言を行っていたため。バタクランでは当時、事件から1年を翌日に控え、英ロック歌手スティング(Sting)さんによる再開公演が行われていた。
バタクランの共同支配人、ジュール・フルト(Jules Frutos)さんはAFPに「彼ら(バンドのメンバーたち)はここへやって来たよ。だが私は追い返した」と述べ「絶対に許せないことというものがある」と理由を語った。
入場を拒否されたメンバー2人のうち、メインボーカルを務めるジェシー・ヒューズ(Jesse Hughes)さんは2015年11月13日に起きた同ホール襲撃について、イスラム教徒の劇場スタッフが関与していたと示唆するコメントでフランス中を仰天させていた。
再開公演を前にフルトさんは、ヒューズさんの襲撃事件に関する陰謀論を聞くのはうんざりだと語った。「こんな信じがたいでたらめコメントを1か月おきに繰り返している。うちの警備スタッフをテロリストと共謀していたと非難するなんて狂ってる。もうたくさんだ。これで終わり。こんなことは止めなきゃいけいない」と付け加えた。
先に、ロックミュージシャンとしては珍しく右寄りで次期米大統領に決まったドナルド・トランプ(Donald Trump)氏を支持するヒューズさんは、バタクラン襲撃の最中に外ではイスラム教徒たちが喜んで騒いでいたなどと語った。だがその根拠は示していない。
この発言によってバンドのイメージは失墜。バタクランの経営者らも激怒し、ヒューズさんの主張を断固認められないと拒絶した。
ヒューズさんは物議を醸すコメントを発表する以前に、バタクランが再開したら真っ先に演奏したいとAFPに語っていた。(c)AFP