露の空母艦隊、シリア沖に到着 「外国の航空機は近づいてこない」
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【11月13日 AFP】シリア方面のロシアの軍事力を増強するために派遣された艦隊がこのたび、シリア沖の地中海(Mediterranean Sea)に到着した。ロシア国営テレビで艦隊司令が明らかにした。
ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフ(Admiral Kuznetsov)のセルゲイ・アルタモノフ(Sergei Artamonov)艦長はビデオ中継で「艦隊は現在指定海域……地中海東部にいる」「現在連帯して任務を行い、シリア沿岸の西に向かっている」と述べた。
同艦隊は、北海(North Sea)からイギリス海峡(English Channel)を通過してシリアに到着した。ロシアのシリアに対する軍事介入の一環として行われたもので、近年最大規模となる海軍の展開となる。
ロシアはバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領率いるシリア政府軍を支援するためシリア領内で激しい空爆作戦を1年以上継続しており、その支援のために艦隊を派遣している。
ロシア艦隊を厳重に監視している北大西洋条約機構(NATO)のイエンス・ストルテンベルグ(Jens Stoltenberg)事務総長は、ロシア艦隊はシリアでのロシアの軍事作戦を支援し「人的被害、民間人の被害を増大させる」恐れがあるとの懸念を示している。
ロシアのテレビには同艦隊の原子力巡洋艦ピョートル・ベリーキイ(Pyotr Veliky)のウラジスラフ・マラコフスキー(Vladislav Malakhovsky)艦長も登場。外国の航空機が艦隊上空を飛行することがあるのかと問われると、「彼らは怖がって50キロ以内には近づいてこない。原子力巡洋艦がどれほど強力なのかよく分かっているのさ」と述べた。(c)AFP/Anna MALPAS