トランスジェンダーのミスコン、強硬派恐れひそかに開催 インドネシア
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【11月12日 AFP】イスラム教徒が多数を占めるインドネシアで11日夜、トランスジェンダー(性別越境者)の人々による美人コンテストが、人目につかないよう非公開に近い形で行われ、きらびやかなドレスに身を包んだ参加者たちに観客が声援を送った。
19人の参加者の中から「ミス・トランスジェンダー・インドネシア(Miss Transgender Indonesia)」に選ばれたのは、パイ・ナバ・タピイ(Pie Nabh Tappii)さん(28)。
栄冠を手にした後でAFPの取材に応じたタピイさんは、「うれしいです。泣きそう。予想もしていませんでした」と語った。
タピイさんには王冠の他に、賞金1000万ルピア(約8万円)と高さ2メートルのトロフィーが贈られた。
首都ジャカルタ(Jakarta)で行われたコンテストの開催についてはほとんど公表されず、招待されたメディア関係者もごくわずかで、イスラム過激派の怒りを買うことを恐れた主催者側は、声援を送る観客に対してコンテストの写真をソーシャルメディアでシェアしないよう注意していた。
世界最多のイスラム教徒人口を抱えるインドネシアでは、近年、強硬派が急速に台頭し、女性問題に焦点を当てた行事を中止させたり、教会の閉鎖や地域での活動停止を狙って少数派のキリスト教徒を攻撃したりしている。(c)AFP