【11月11日 AFP】女子テニスのマリア・シャラポワ(Maria Sharapova、ロシア)が、ドーピング違反による資格停止処分が解除され、国際大会に再び出場できる来年4月に合わせて、国連(UN)の親善大使に復帰することになった。UNが10日、発表した。

 シャラポワの薬物検査失格を受け、UNは今年3月、同選手が9年間務めてきた国連開発計画(UNDP)の親善大使としての職務を停止していた。

 UNDPの広報担当者は、「われわれは、予想よりも早くマリア・シャラポワが愛するテニスに復帰できることを知り、喜んでいました。短縮された処分が2017年4月に解ける際には、同選手の職務停止を解除する所存です」と述べた。

「シャワポワ氏がテニスのキャリア再開に集中することになるのは、われわれも理解しています。UNDPでの役目や仕事について、適切な時期に一緒に話し合うのを楽しみにしています」

 29歳のシャラポワは先月、スイス・ローザンヌ(Lausanne)に拠点を置くスポーツ仲裁裁判所(CAS)の裁定により、禁止薬物の「メルドニウム(Meldonium)」に陽性反応を示して科されていた2年間の出場停止期間が15か月に短縮された。同選手はメルドニウムについて、持病や心臓の問題、そしてマグネシウム欠乏症のために10年前から使用していたと認めていた。

 テニス界のスターはこれまでUNDPの親善大使として、1986年に起きたチェルノブイリ(Chernobyl)原発事故の復興支援活動に尽力しており、ベラルーシを訪問した際には、事故の影響が残る地域で暮らす子どものために10万ドル(約1130万円)を寄付するなどしていた。

 チェルノブイリ原発事故のあと、シャラポワの両親は1987年にベラルーシのゴメル(Gomel)を逃れ、露シベリア(Siberia)地方のニャガン(Nyagan)に移住。一家はシャラポワが誕生したこの地で2年間暮らした後、黒海(Black Sea)沿岸のソチ(Sochi)に移り、同選手はここで初めてテニスを習った。(c)AFP