ヒト抗体でマウス胎児のジカ感染遮断に成功、研究
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【11月8日 AFP】人体が作る抗体で、マウスの胎児のジカウイルス感染を遮断することに成功したとの研究論文が7日、発表された。人の胎児に脳損傷を引き起こすことが知られているジカウイルスについて、その阻止に向けた期待を高める結果だという。
今回の一連の実験でこのヒト抗体は、現在知られているすべてのジカウイルス株を無力化し、ジカウイルスに感染した妊娠中の母親マウスとその胎児のウイルス濃度を「著しく低下」させた。
論文の共同執筆者で、米ワシントン大学医学部(Washington University School of Medicine)のマイケル・ダイアモンド(Michael Diamond)氏は「妊娠期において、発育中の胎児をジカウイルスから守る作用があることが示されたのは、この抗ウイルス抗体が初めてだ」と話す。
「これは、妊娠中のジカウイルス感染が治療可能であり、少なくともマウスにおいて、それを治療するヒト抗体がすでに得られていることの原理証明となっている」
ダイアモンド氏と研究チームは、ジカウイルス感染から回復した人々から採取した抗体サンプルを徹底的に調査した。
英科学誌ネイチャー(Nature)に発表された論文によると、1人のサンプル提供者から採取された「ZIKV-117」と呼ばれる抗体が、卓越した抗ジカウイルス作用を示したという。