レブロンがNFLの視聴率低下を分析「娯楽性が失われつつある」
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【11月8日 AFP】米プロバスケットボール(NBA)、クリーブランド・キャバリアーズ(Cleveland Cavaliers)のスーパースター、レブロン・ジェームズ(LeBron James)が7日、NBAと大リーグ(MLB)が高視聴率を維持している一方で、ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)の視聴者が減少していることについて、理由は定かではないが娯楽性が失われつつあるという懸念を示した。
この日の練習後に取材に応じたジェームズは、8日に開票される米大統領選の民主党候補ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)前国務長官の応援演説に登壇する前に、NFLでお気に入りのチームであるダラス・カウボーイズ(Dallas Cowboys)が35-10でクリーブランド・ブラウンズ (Cleveland Browns)を破った試合を楽しんだことを明かした。
しかし、ジェームズは「理由は分からないが、一部の選手から試合の楽しさが失われつつあるというコメントを聞いている」と話し、NFLでプレーする一部の有力選手が「楽しいリーグ」ではなくなっていると指摘し、試合の視聴率が日曜日には18~19パーセント、月曜日には25パーセント近くまで落ち込んでいる要因になっている可能性があると話していたことを明かした。
「自分もアメフトの経験があるけれど、プレーしていた理由は競い合いや楽しさだった。主力選手数人が試合が楽しくないと話しているのを聞いたことがある。スポーツから娯楽性を奪うことは絶対にしたくない。スポーツを大好きになるほとんどの理由は、それが楽しいからだ」
■子どもたちに見たい番組を奪われるレブロン
レギュラーシーズンの年間最優秀選手(MVP)に通算4度選出されているジェームズは、年間82試合が行われるNBAを見るのに忙しいことは別として、以前よりもテレビを視聴しなくなった理由について、「自分がよく見ていた多くの番組が、子どもたちに奪われてしまっているんだ」と説明した。
今年のMLBワールドシリーズ(7回戦制)では、シカゴ・カブス(Chicago Cubs)が108年ぶりのタイトルを獲得し、クリーブランド・インディアンス(Cleveland Indians)は1948年以来の優勝を逃したが、シリーズは最終第7戦が延長戦にまでもつれる大接戦となり、NFLの試合は陰に隠れてしまった。
ジェームズは「盛り上がりが必要だったベースボールは、今年のプレーオフとワールドシリーズが後押しになったことはたしかだ」とすると、「ワールドシリーズで3試合に足を運んだけれど、これまでシリーズから遠ざかっていたチーム同士の対戦という歴史的なカードが実現したことが大きな注目を集めた。どちらも中東部のチームだったことも話題になり、試合内容も良かった」との見解を示している。
一方、ジェームズを擁するキャバリアーズも、昨季のNBAファイナル(7回戦制)で1勝3敗の瀬戸際からシリーズを制し、カブスと同じく歴史的な大逆転勝利を飾ると、マイケル・ジョーダン(Michael Jordan)氏がシカゴ・ブルズ(Chicago Bulls)の王朝時代を築いた1990年代以来の高視聴率を稼いだ。
「バスケットボール界も、特にファイナルなどここ数年間のプレーオフでは偉業が成し遂げられてきた。これからも、このスポーツを盛り上げていけるように努力していく。人々が見たいと思う試合に出ていたというのは特別なことだ。ファイナルでジョーダン氏以来の高視聴率を記録したと言われることは、とても大きな誇りになる」
NFLがほかの米スポーツに人気が追い抜かれる可能性については言及しなかったものの、ジェームズは「変化とか、そういった物事の本質については話したくない。われわれのスポーツに何が起きているのかは分かっているし、ベースボールで何が起きているのかも認識している」と語った。(c)AFP