アマゾンの孤立先住民、部族同士の衝突で死傷者 ペルー
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【11月7日 AFP】南米アマゾン(Amazon)の熱帯雨林で外界から孤立して暮らす先住民の部族が、他の部族との衝突で1人を殺害、2人を負傷させた。ペルー当局が6日、発表した。
ペルー文化省によると、地球上に残された数少ない孤立した先住民の一つとされるマシコ・ピロ(Mashco-Piro)は、自分たちが暮らす先住民保護区に入り込んだ別の先住民ナフア(Nahua)の20人ほどのグループを襲ったとみられている。
報告によると、ナフアはペルー南東部のクガパコリ保護区(Kugapakori Territorial Reserve)で、マシコ・ピロの足取りを追っている。ナフア自身も最近になって、外部と接触するようになったという。
ペルー文化省の声明によると衝突は3日に発生。文化省のチームが「必要な医学的配慮から」セパウア(Sepahua)にある医療施設への負傷者の搬送を手配したという。また両先住をさらなる暴力行為から守り、さらに免疫系が外部と接触したことがないマシコ・ピロを疾病から守るため、緊急規定を発動したと発表した。
ペルー当局は、マシコ・ピロが保護区周辺の別の地域に頻繁に入り込んでいることについて警鐘を鳴らしている。不法伐採業者や麻薬密売人によるアマゾン熱帯雨林への侵入により、マシコ・ピロが旧来の居住地の外へ追いやられている可能性があるという。
先住民族の権利保障を訴える国際組織「サバイバル・インターナショナル(Survival International)」によると、ペルーには50を超える先住民が暮らしており、そのうち約15の部族は現在も外部と接触せず、孤立したままだという。(c)AFP