【11月6日 AFP】男子テニスの元世界ランキング1位で、四大大会(グランドスラム)通算14勝を誇るラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)が5日、英タイムズ(The Times)紙のインタビューに応じ、さらなるグランドスラムのタイトル獲得を切望していると語った。

 30歳になったナダルは、今季ツアー2勝を挙げたものの、同時にけがにも悩まされ、10回目の優勝がかかっていた全仏オープン(French Open 2016)も途中棄権に終わった。そして先日、完全な状態で来季をスタートさせるため、早くも今季の戦いに幕を下ろすことを宣言していた。

 故郷のスペイン・マヨルカ(Mallorca)島マナコル(Manacor)に開校した新しいテニス・アカデミーで、英タイムズ紙の取材に応じたナダルは「もう一度、あらゆる面で戦える状態に戻る日が待ちきれない」と語った。

「それを実現させるためもに、今まで以上の努力をするつもりだし、断固たる決意で、もう一度大きなものを勝ち取れる地位に戻ることを目指す」

 8月のリオデジャネイロ五輪では、親友のマルク・ロペス(Marc Lopez、スペイン)と組んだダブルスで金メダルを獲得したナダルだったが、シングルスでは準決勝でフアン・マルティン・デル・ポトロ(Juan Martin del Potro)に激闘の末に敗れ、3位決定戦でも錦織圭(Kei Nishikori)に敗れてメダルを逃した。

 ナダルは全仏オープンを含めて、一番いい時期を左手首のけがでふいにしたことを嘆いている。「つらいシーズンだったよ。けがをしたタイミングが最悪だったからね。当時はすごく良いテニスができていて、プレーを楽しめていたんだ」

「だけどそれも人生だし、とにかく前を向いて練習に励むしかない。今の一番の目標は、けがを治して万全の状態で来シーズンに臨むことだ。そのときが待ちきれないよ。けがをする前のレベルに戻りたいと本気で思っている。その自信があるんだ」

 ナダルにとって今季はコート外でも騒がしい一年だった。2012年にナダルが薬物を使用したというロゼリーヌ・バシュロナルカン(Roselyne Bachelot-Narquin)元仏スポーツ相の発言に対して、ナダルは事実無根だとして同氏を提訴。さらに国際テニス連盟(ITF)には、自身のドーピング検査の結果を公表するよう依頼した。

 この件について、ナダルは「もう十分だ、おしまいにしようと言いたかったんだ。怒っていたわけではない。『ここまでが限界だ』と主張したかたった。こういうことが過去に何度もあったからね」と話している。「問題を起こすのはイヤなんだ。だけどあのフランスの大臣みたいなことが起きて、『わかった、もう十分だ』と言いたくなった」

「だからもし、あのような愚かなことを本気で言う人が現れたときのために言っておくよ。これから何の証拠もないのにああいうことを言う人が現れたら、同じように法的措置を取るってね」

「この場所にたどり着くまでにどれだけの努力をしてきたのか、自分で分かっている。僕の価値は僕が100パーセント分かっている」

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