【11月5日 AFP】地球温暖化対策に力を入れているジョン・ケリー(John Kerry)米国務長官が、現職の国務長官として初めて南極を訪れることが明らかになった。国務省が4日、発表した。南極では世界最大の海洋保護区の設置が決まったばかり。

 ケリー国務長官は今月10~18日に各地を歴訪。南極、ニュージーランド、オマーン、アラブ首長国連邦を訪れるほか、モロッコでは国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)第22回締約国会議(COP22)に、ペルーではアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に出席する。APECにはバラク・オバマ(Barack Obama)米大統領も出席する予定だ。

 中でも10~12日の南極訪問でケリー国務長官は、同地を訪れる史上最も役職が高い米政府高官となる。南極にある米国の調査基地としては最大規模のマクマード基地(McMurdo Station)をはじめ、ロス島(Ross Island)周辺とアムンゼン・スコット基地(Amundsen-Scott South Pole Station)を訪問することになっている。

 10月28日には「南極の海洋生物資源の保存に関する委員会(CCAMLR)」の年次会合で、自然保護を目的とする世界最大の海洋保護区が南極のロス海(Ross Sea)に設置される計画が数年がかりの交渉の末、決定した。

 米国とニュージーランドが提案し、加盟25か国の合意によって設置されることになった海洋保護区の面積は155万平方キロ以上で、英独仏の国土面積の合計にほぼ匹敵する。このうち112万平方キロは漁業禁止海域となる。

 長年、温暖化対策に積極的に取り組んできたケリー国務長官は、温室効果ガスの削減に向けた新たな国際枠組み「パリ協定(Paris Agreement)」に関しても各国に積極的に働き掛け、重要な役割を担っていた。パリ協定は昨年末の国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)で採択され、今月4日に発効した。(c)AFP