【11月4日 AFP】2020年以降の地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定(Paris Agreement)」が4日、発効した。7日からモロッコで開かれる国連気候変動枠組み条約第22回締約国会議(COP22)では196か国の代表が集まり、温室効果ガス削減目標を実行に移すための協議が行われるが、各国による交渉は激しくなることが予想される。

 パリ協定発効にあたり、世界銀行(World Bank)のジム・ヨン・キム(Jim Yong Kim)総裁は「我々の未来がかかっている」と述べた。

 国連環境計画(UNEP)は3日に発表した報告書で、パリ協定に加わったすべての国の削減目標が守られたとしても、世界の気温は今世紀末までに3度余り上昇し、破滅的影響を招き得ると指摘した。

 だが、気温変動に脆弱な貧困国のために拠出する年間1000億ドル(約10兆3000億円)をどう分配するかについては、いまだ意見の一致をみておらず、また今後15年間で途上国に必要な年間の投資額はその20~30倍に上るという試算もある。

 米大統領選で自らが勝利した場合はパリ協定を「取り消す」と表明している米共和党候補ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏が、選挙戦終盤で巻き返しを図っていることも今後の手続きに暗い影を落としている。多くの専門家たちは、もしトランプ氏が当選すればパリ協定は機能不全に陥りかねないとみている。(c)AFP/Marlowe HOOD