【11月4日 AFP】イラク軍などがイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が制圧した北部モスル(Mosul)に進攻し戦闘が激化している中、ISの最高指導者アブバクル・バグダディ(Abu Bakr al-Baghdadi)容疑者は配下の戦闘員を統率する力を失いつつあるとの見方を、米国防当局者が3日示した。

 IS系のアルフルガン・メディア(Al-Furqan Media)は3日未明、バグダディ容疑者のものとされる音声メッセージを公開。その中でバグダディ容疑者はIS戦闘員らに「退却するな」と呼び掛けていた。

 イラクとシリアでIS掃討を行っている米国主導の有志連合のジョン・ドリアン(John Dorrian)報道官は記者団に対し、軍としては音声の信ぴょう性を公式には確認していないが、IS指導部が配下の戦闘員と意思疎通を図ろうとしていることは明白だと指摘。

 その上で「興味深いのは、バグダディ容疑者の『仲間同士で争うな』という発言に英語の字幕がついていたことだ。これは統率力を失った指揮官が部下たちをまとめようとするときに発する言葉だ。この言葉が効果を発揮するとは思えない」と述べた。

 バグダディ容疑者については健康状態や動向についてさまざまなうわさが飛び交っているが、その所在ははっきりしていない。(c)AFP