【11月4日 AFP】米大統領選の投票日を数日後に控えた3日、新たな世論調査の結果が発表され、民主党候補ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)前国務長官の共和党候補ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏に対するリードが縮小した。トランプ氏はここへ来て、一時は同氏への支持に慎重姿勢だった共和支持層を取り込んでクリントン氏を猛追。ホワイトハウスの座をかけた戦いは最終盤を迎え再び緊迫している。

 米CBSニュース(CBS News)と米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)が行った最新の世論調査によると、支持率はクリントン氏45%、トランプ氏42%となった。支持者の圧倒的多数は誰に投票するかを既に決めていると回答している。

 トランプ氏が女性に迫った経験を吹聴したり、12人前後の女性からわいせつ行為を非難されたりしてきたもかかわらず、白人女性層での支持は両候補の間で二分されている。

 クリントン氏も、私用メール問題をめぐり米連邦捜査局(FBI)と対立しているものの、クリントン氏に投票する可能性が下がったと答えた人はわずか8%。民主支持層の間で心変わりした有権者はほとんどいないようだ。

 8日の投票日に向け選挙戦はいよいよ追い込みに入った。各候補は激戦州に足を運んだり高額の広告を繰り返し放送したりして、有権者に最後の訴えを行っている。どの候補もミスは犯したくないとみられ、熱狂的ではあっても一定の枠内には収めている。

 物議を醸す発言を繰り返してきたトランプ氏ですら、原稿を映し出すプロンプターから目を離さず演説。過激な言い回しは避けている。フロリダ(Florida)州での選挙集会では「落ち着いていこう。そうだよな? ドナルドよ、本題から外れちゃだめだ。脱線しちゃだめだ。落ち着いでいくんだ」と自分に言い聞かせながら声を張り上げた。

 その一方で、クリントン氏が大統領になれば訴訟まみれになるのは避けられないとも警告。政府の腐敗の「うみを出し切る」と改めて誓った。(c)AFP/Andrew BEATTY