【11月3日 AFP】男子テニス、アンディ・マレー(Andy Murray、英国)の猛追により王座陥落の危機にあるノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)が2日、自身が霊的な教えを受けているのではないかとする疑惑を一蹴した。

 同日行われたパリ・マスターズ(BNP Paribas Masters 2016)の試合でギル・ミュラー(Gilles Muller、ルクセンブルク)を6-3、6-4で下し、3回戦に駒を進めたジョコビッチだが、6月の全仏オープンテニス(French Open 2016)でキャリアグランドスラムを達成して以降は調子を落としている。

 マレーの追随によって、一連のショッキングな敗戦から「立ち直った」と話していたジョコビッチは今大会、ボリス・ベッカー(Boris Becker)コーチとマリアン・ヴァイダ(Marian Vajda)コーチを帯同しておらず、代わりにスペイン人のペペ・イマズ(Pepe Imaz)氏がコートサイドに姿を見せている。

 かつて世界ランキングトップ200に入っていたイマズ氏は、スペイン・マルベーリャ(Marbella)で「人々の幸福、感覚、感情」に重点を置くとするテニスアカデミーの経営を行っている。

 同テニスアカデミーのウェブサイト上にある「愛と平和(Amor & Paz)」と題された動画の中では、ジョコビッチも取り上げられているが、同選手はイマズ氏が自身の瞑想(めいそう)の指導者を務めているのではないかとする主張を否定している。

 ジョコビッチは、「まず第一、あなたがどこで彼が指導者だと聞きつけたのかわからない」と笑顔で話すと、「第二に、彼はこれまでの数年間もチームの一員だった。それに、私の弟(マルコ・ジョコビッチ<Marco Djokovic>)とも働いてきた」と付け加えた。報道によればイマズ氏は、ジョコビッチの弟が数年前に尻すぼみになった際に、救いの手を差し伸べていたという。

「彼は一生涯、テニスに関わってきた。今週、彼が私の弟と一緒にここへ来て、私とともに時間を過ごし働けたことをうれしく思う。無意味だから、細かいことを話すつもりはない。私にとっては面白いというか、結局のところ、人は言いたいことを何でも思うがままに口にしたり、他人をジャッジしたり、やりたいことをやったりするものだ。だから、これ以上臆測が広まるような余地を与えるつもりはない」

「彼はこれまでもいて、コーチングチームの一員だった。ただそれだけの話だ」
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