【11月3日 AFP】米人気プロレスラーのハルク・ホーガン(Hulk Hogan)氏は2日、友人の妻との性行為を隠し撮りされた動画をインターネットで公開したとしてゴシップサイト「ゴーカー(Gawker)」を訴えていた民事裁判で、ゴーカー側から少なくとも3100万ドル(約32億円)の和解金の支払いを受け入れることで合意した。裁判所の文書から明らかになった。

 ゴーカーは、ホーガン氏の隠し撮り動画を公開したことで同氏のプライバシーを侵害したとして米フロリダ(Florida)州の裁判所に1億4000万ドル(約145億円)の損害賠償を支払うよう命じられ、経営破綻していた。

 今回の訴訟では、オンライン決済サービス「ペイパル(PayPal)」の共同創設者で著名投資家のピーター・ティール(Peter Thiel)氏がゴーカーを破産に追い込む目的でホーガン氏を資金面で支援していたことが明らかとなり、ティール氏の行動をめぐり、メディアと報道の自由を訴える人々との間で賛否が分かれていた。ティール氏は、自身を同性愛者だと報じたゴーカーとの法廷闘争に資金援助をしていることを認めている。

 ニューヨーク(New York)の破産裁判所に提出された文書によると、ホーガン氏に対しては3100万ドルの和解金に加え、ゴーカーの破産手続きによる資産の売却益の一部も支払われる。

 ゴーカーの創設者であるニック・デントン(Nick Denton)氏は自身のブログで、シリコンバレー(Silicon Valley)の富豪のティール氏がホーガン氏の後ろ盾になっているため、控訴ではなく和解を選択したことを明らかにしている。(c)AFP