「金属ブラシ入りフレンチ」で1億4000万円の賠償命令 米NY
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【11月1日 AFP】フランス人の著名オーナーシェフ、ダニエル・ブールー(Daniel Boulud)氏が米ニューヨーク(New York)市内に構える店で料理に混入していた金属片をのみ込み、緊急手術を余儀なくされたとして、客が損害賠償を求めて起こした訴訟で、市の裁判所の陪審団はこのほど、店側に賠償金など計130万ドル(約1億4000万円)余りの支払いを科す評決を下した。
巨額賠償を命じられたのは、ブールー氏が市内で経営しているレストランの一つでマンハッタン(Manhattan)にある「dbビストロモデルネ(db Bistro Moderne)」。異物混入は2015年2月、原告のバリー・ブレット(Barry Brett)さんが妻と連れ立って店を訪れたときに起きた。
AFPが確認した裁判所の文書によれば、ブレットさんは食事を始めて間もなく、喉に異物が詰まり、途中で退店するほかなくなった。料理はコック・オ・バン(鶏肉の赤ワイン煮込み)だったという。
ブレットさんの外科手術を行った担当医によれば、喉に詰まっていたのは安物のグリル用金属ブラシの毛で2.5センチほどの長さがあったという。ブレットさんの弁護団は、致死性の感染症を招く恐れがあったと主張していた。
ニューヨーク市の裁判所の陪審団は先週、店側の不注意だったとして、ブレットさんへの慰謝料30万ドル(約3000万ドル)、懲罰的損害賠償100万ドル(約1億円)、さらにブレットさんの妻への賠償金1万1000ドル(約120万円)の支払いをdbビストロモデルネに命じた。
店側の関係者は米紙ニューヨーク・ポスト(New York Post)に対し、控訴を検討していると説明している。
ブールー氏は1980年代以降、ニューヨークを拠点に活躍。米国では首都ワシントン(Washington D.C.)やボストン(Boston)、ラスベガス(Las Vegas)、マイアミ(Miami)、パームビーチ(Palm Beach)、米国外では英ロンドン(London)、シンガポール、カナダのモントリオール(Montreal)、トロント(Toronto)にも出店している。dbビストロモデルネは2001年にオープンした。(c)AFP