【11月1日 AFP】フランス当局は10月31日、北部の港町カレー(Calais)にある大規模な移民キャンプ、通称「ジャングル(Jungle)」の最後の掘っ立て小屋やテント小屋を取り壊した。これによって、悪評の高かった「ジャングル」は解体されたことになるが、撤去作業が本格的に始まった先週以降、首都パリ(Paris)では同キャンプから移動して野宿する移民の数が急増しており、懸念の声も広がっている。

 キャンプ近くでは現在、保護者のいない未成年者1000人余りがコンテナの仮設住居で生活しているため、教会1か所、モスク2か所は取り壊しを免れている。

 未成年者らは英国への移送、またはフランス国内での滞在先が確保されたという知らせを待っているが、彼らの受け入れをめぐり、英仏両政府は対立を続けている。スーダン出身のモハメド(Mohammed)さん(18)は、キャンプの敷地内で店が立ち並んでいた通りの近くで自転車にまたがりながら「今日、迎えのバスが来るって聞いたけど、いつになるの?」と聞いていた。

「ジャングル」に滞在していた移民はピーク時で1万人余りに及んだ。劣悪な環境で犯罪が横行し、カレーと英国を結ぶ連絡港や鉄道の運行にも混乱を生じていたことから、フランス国内では怒りと困惑を招いていた。(c)AFP/Zoé LEROY