生き残るためサソリやムカデ食す、海賊に拘束の台湾人人質明かす
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【10月31日 AFP】ソマリアの海賊が漁船を乗っ取り、5年近くもの間、乗組員らを拘束していた事件で、人質となっていた乗組員たちは解放されるまでの5年近い間、生き残るためにネズミやサソリ、ムカデを食べていたことが分かった。解放された乗組員26人のうちの1人である台湾人の沈瑞章(Shen Jui-chang)さんが明らかにした。
オマーン船籍の漁船「 ナハム3(Naham 3)」号の乗組員は2012年3月、インド洋の島しょ国セーシェルの南の沖合で拘束されて人質となった。
26日午後、台湾・台北(Taipei)の空港に到着した沈さんは記者団に対し「毎日、神経をすり減らされた。海賊は自分の頭に向けて24時間ずっと『AK-47(カラシニコフ自動小銃)』を突き付けていた」と話し、「健康状態は非常に悪い」と語った。
沈さんはこれ以前にも報道陣に対し、拘束されていた4年半の間、人質にはほとんど食料を与えらず、時には水も拒否されたと証言。地元メディアの報道によると、沈さんら人質たちはネズミやサソリ、ムカデを食べていたという。
台湾当局は人質解放に向けた十分な取り組みを行っていないと批判されてきたが、外交部(外務省)は25日、交渉に関わった各国・地域当局の努力は評価されるべきと述べていた。(c)AFP