【10月31日 AFP】米ニューヨーク(New York)のマンハッタン(Manhattan)でも最高の住所といえるアッパー・ウェスト・サイド(Upper West Side)にそびえる高級マンションの住民たちが、建物名の改称を求める署名活動を開始した――大統領選の共和党候補ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏の名前が入っているからだ。

 ハドソン川(Hudson River)を望むリバーサイド・ドライブ(Riverside Drive)沿いにある「トランプ・プレース・アパートメント(Trump Place Apartments)」は、大理石の床に豪華な玄関ホール、気の利くドアマン、素晴らしい眺望がそろった高級マンションだ。

 トランプ氏にとって自分の名前は中核資産で、マンハッタンに所有する高層ビルなど多数の不動産に「トランプ」の名を冠し、個人資産を築き上げてきた。その一部は大統領選の選挙資金として使われている。

 だが、アッパー・ウェスト・サイド一帯は概してリベラル派の富裕層が多く住む。マンションの正面に巨大な文字で記された「トランプ」の名前を外してほしいと願う住民たちが立ち上げた署名活動には、2週間で465人分の署名が集まった。

 署名の呼び掛け人らはトランプ氏について「女性に対する扱いが最悪」で「人種差別歴」があり、移民を攻撃し、障害者をあざ笑い、税金逃れをする「完全なうそつき」で、自分たちの価値観とは「正反対」だと非難している。また、マンション内で働くスタッフの多くは人種的少数派や移民なのに、建物がトランプ氏の名前を冠していることは「侮辱的」だとも述べている。(c)AFP/Catherine TRIOMPHE