【10月31日 AFP】米大統領選の民主党候補ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)氏が国務長官時代に私用メールを使っていた問題で、連邦捜査局(FBI)が捜査を再開したことについて民主党のハリー・リード(Harry Reid)上院院内総務は30日、「法律に違反している可能性がある」としてFBIのジェームズ・コミー(James Comey)長官を激しく非難した。

 コミー長官は28日、これまで知られていなかったメールが多数見つかったとして捜査の再開を発表した。しかし、民主党上院トップのリード氏は声明で、「クリントン氏に関するささいな当てこすりが耳に入るやいなや、可能な限り最も否定的な解釈で公表した」とコミー長官を批判。「党派心むき出しの行動で、法律に違反している可能性がある」と述べ、FBIなど公務員が職権を利用して選挙に影響を与えることを禁じた「ハッチ法(Hatch Act)」に抵触する疑いがあると主張した。

 クリントン氏はコミー長官に対し、なぜ今年7月に終了を発表した捜査を再開したのか詳しく説明するよう要求。大統領選の投票が目前に迫った時期の捜査再開発表に対し「非常に厄介」だと述べている。

 米国からの報道によると今回の捜査再開は、クリントン氏の側近フーマ・アベディン(Huma Abedin)氏とその夫で別居中のアンソニー・ウィーナー(Anthony Weiner)元下院議員(民主党)が使っていたノートパソコン1台が押収されたことがきっかけ。ウィーナー氏は、インターネット上で複数の女性とみだらな写真を交換していた事実が発覚して下院議員を辞職したが、15歳の少女と性的なメッセージを交わした疑いで現在、FBIの捜査対象となっている。

 米テレビ各局は30日、FBIが新たに見つかったメールの捜査令状を取ったと伝えた。CNNによると、FBIは数週間前に問題のメールを発見していたにもかかわらず、28日まで公表せずにいたという。(c)AFP