王座陥落危機のジョコビッチ、マレーの猛追で「生き返った」
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【10月31日 AFP】男子テニス、不振にあえぐノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)が、自身から世界1位奪取を目指しているアンディ・マレー(Andy Murray、英国)によるシーズン終盤の驚異的な追い上げから刺激を受けていることを明かした。
四大大会(グランドスラム)通算12勝を誇るジョコビッチは今季、6月の全仏オープンテニス(French Open 2016)で初制覇を果たし、キャリアグランドスラムを達成して以降不調に苦しんでいる。全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2016)では準優勝に輝いたものの、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2016)では早期敗退、つづくリオデジャネイロ五輪でも初戦敗退を喫していた。
現在3連覇中のパリ・マスターズ(BNP Paribas Masters 2016)でタイトル防衛に挑むジョコビッチは、マレーの猛追は自らが必要としていた新鮮な勢いをもたらしてくれるという。また、「(マレーの追随は)コートへ行き、すべてのポイントを本気で戦おうと思わせてくれる」と話す29歳の王者は、自身が活力を取り戻し、生き返ったように感じると付け加えた。
ジョコビッチは今週のパリ(Paris)で決勝の舞台に進出すれば、マレーの結果に関係なく122週間連続で君臨してきた王座を維持できるが、仮に自身が準決勝以前に大会から姿を消し、マレーが優勝を飾る場合は、世界ランキング1位から陥落することになる。
一方のマレーは30日、エルステ・バンク・オープン(Erste Bank Open 2016)で優勝を果たし、王者の座へまた一歩前進している。
ジョコビッチはマレーについて、「アンディはたぶん、これまででベストのテニスをしていると思う。彼は間違いなく世界1位としてシーズンを終えるにふさわしい。それ(マレーによる世界1位奪取)が起きるかどうかは、彼だけの問題だけではなく、私によるものでもある」と語った。
「最近はとにかくゲームの向上に取り組んでいて、自分が望むレベルに立っているときは、誰に対しても挑戦したり、勝利したりすることができると理解している」
■「新たなる野望」
今夏のスランプの原因について具体的な明言は避けたものの、「個人的な事情」だと口にしていたジョコビッチは、パリ・マスターズが再起を狙う上で絶好の舞台になると信じているという。
今月中旬に行われた上海マスターズ(2016 Shanghai Rolex Masters)準決勝でロベルト・バウティスタ・アグト(Roberto Bautista Agut、スペイン)に敗れて以来、大会に出場していないジョコビッチは、「ローラン・ギャロス(Roland Garros、全仏オープン)での勝利は私に多くのものを与えたが、一方で多くのエネルギーも要した。大会後は少しモチベーションの低下や疲労を感じた」と明かす。
「こういったことすべてについて考え、新たなモチベーションや野望を見つけるには少し時間がかかった。今は気分が良いし、ここパリに戻って来られてうれしい。良い1週間を送ることができればいいと思う」
パリ・マスターズで初戦を免除されているジョコビッチは、2回戦でニコラス・アルマグロ(Nicolas Almagro、スペイン)とギル・ミュラー(Gilles Muller、ルクセンブルク)の勝者と対戦する。(c)AFP/Dave JAMES