【10月31日 AFP】中東イエメンで29日夜、反政府勢力への攻撃を続けるサウジアラビア主導の連合軍が同国西部の治安施設を空爆し、少なくとも60人が死亡した。犠牲者の多くは拘置所に収容されていた人たちでがれきの下敷きになって死亡したという。

 空爆は、2014年から反政府勢力のイスラム教シーア派(Shiite)系反政府武装勢力「フーシ派(Huthi)」が掌握する西部ホデイダ(Hodeidah)で、ザイディア(Zaidia)地区にある反政府勢力の治安施設をサウジ主導の連合軍の戦闘機が爆撃したもの。保健当局者によると計60人が死亡し数十人が負傷した。

 死者のほとんどは反フーシ派として拘置された人たちで、空爆された拘置所では2つの監房に100人が収容されていたという。フーシ派と対立するイエメン政府側を支援するサウジ連合軍がなぜ反政府勢力に敵対する人々を収容する拘置所を空爆したのかは不明だ。

 連合軍は、この空爆の数時間前にもホデイダ南西部の住宅3棟を爆撃し、民間人17人が死亡している。

 1年7か月に及ぶイエメンの内戦終結を目指して国連(UN)が提案している新和平案について、反政府勢力のフーシ派は30日、同案には「基本的な欠陥」があるとしながらも「対話の基礎」になるものとの見解を示した。しかしフーシ派と対立するイエメンのアブドラボ・マンスール・ハディ(Abd-Rabbo Mansour Hadi)暫定大統領は国連の提案を29日に拒否している。 (c)AFP