世界の脊椎動物、70年以降に5分の3減少 WWF
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【10月27日 AFP】(訂正)人間の食生活や活動の影響で、魚類、鳥類、両生類、爬虫(はちゅう)類、哺乳類の5種からなるすべての脊椎動物の個体数が1970年以降に5分の3近く減少したとする研究結果が27日、発表された。
世界自然保護基金(WWF)とロンドン動物学会(Zoological Society of London)は、隔年で発表している「生きている地球レポート(Living Planet Report)」の中で、現状のまま進めば地球上の野生動物の数は2020年までに現在の3分の2に激減する可能性があると警告している。
その原因は明白で、人類が増加し続けているためだ。世界の人口は1960年以降、2倍以上の74億人にまで膨れ上がり、地球上で共生している動物たちを食べ、追いやり、むしばんでいる。
今回の研究結果は、地球上に存在する脊椎動物約3700種の1万4000以上の個体群を長期的に観察したデータに基づいている。
WWFのマルコ・ランベルティーニ(Marco Lambertini)事務局長はAFPに対し、「生物の多様性が健全な森林、河川、海の基礎をつくる。種を絶滅させれば生態系が崩壊し、それらが人類に提供しているきれいな空気や水、食料、気候も失われる」と述べた。
ランベルティーニ氏は一方で、健全な環境はぜいたく品ではなく「将来の人類発展の基礎」であると政府や経済界、そして社会全体が気づき始めたことは明るい兆しだと話した。(c)AFP/Marlowe HOOD