韓国の朴大統領、公的文書漏えいで謝罪
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【10月25日 AFP】韓国の朴槿恵(パク・クネ、Park Geun-Hye)大統領は25日、汚職疑惑が取り沙汰されている友人の女性に対して公的文書を漏えいしたことについて、公式謝罪を余儀なくされた。
朴大統領はテレビ演説で、カメラを前に深く頭を下げ「国民に深くおわびする」と述べた。
韓国の検察当局は現在、朴大統領の親友とされる崔順実(チェ・スンシル、Choi Soon-Sil)氏が、大統領との関係を利用し、複数の企業から2つの財団に数十億円の寄付を受けたとの疑惑を追及している。
朴大統領自身はこのスキャンダルから距離を置こうとしていたが、24日のテレビ報道で、多くの大統領演説の原稿が事前に崔氏へ渡され、いくつかの演説については崔氏が修正に関与していたとの疑惑が持ち上がった。この報道は、スキャンダル発覚後に出国した崔氏の事務所から押収されたコンピューター内にあった200件のファイルに基づいている。現在、崔氏の所在は明らかになっていない。
朴大統領は謝罪の中で崔氏について「つらい時」に助けてもらったとし、大統領選挙での演説や「広報資料」において、さらに2013年2月の大統領就任後もチェ氏の助言を求めていたと述べ「いくつかの資料に関して時折彼女の意見を聴いたが、大統領補佐官を任命してからはやめた」と語った。
崔順実氏は、朴大統領が恩師と仰いだ宗教家、故崔太敏(チェ・テミン、Choi Tae-Min)氏の娘。崔順実氏に対する捜査と、同氏が朴大統領に不適切な影響を及ぼしていた疑惑が打撃となり、朴大統領は記録的な低支持率にあえいでいる。
朴大統領は24日、大統領任期を制限している現在の憲法の改正に取り組む方針を発表したが、野党議員らは、崔氏に関連する疑惑の捜査から注意をそらすため、メディアを引きつけることを狙った動きだと批判した。(c)AFP