【10月25日 AFP】タイ南部パタニ(Pattani)にある飲食店付近で24日、爆弾が爆発し、1人が死亡、18人が負傷した。うち数人は重体だという。警察と目撃者が明らかにした。

 翌25日は2004年に地元のイスラム教徒ら80人以上がタイ治安当局の手によって死亡する事件が発生した日付に重なる。現在広がっている反政府運動のきっかけとなったのもその事件だった。

 現場はマレー語を使用するイスラム教徒が多い同国南部に位置するパタニ中心部。同日午後7時(日本時間同9時)ごろ爆弾が爆発し、すぐそばの麺専門店が大きな被害を受けた。

 地元の警察官はAFPの取材に「タイ人の仏教徒の女性1人が死亡し、18人が負傷した」と明らかにした。

 現場入りしたAFPカメラマンは、複数の死傷者を目撃し、うちの数人は命に関わるけがをしているようだったと伝えている。

 マレーシアと国境を接しイスラム教徒が多数を占めるタイ深南部では、2004年に反政府運動が始まって以来、爆弾攻撃や銃撃が頻発している。

 同年10月25日にはタイ人のイスラム教徒85人が死亡。軍が抗議行動を制圧した後、定員を超過したトラックの中で窒息死した人が大半だった。

 仏教徒が多いタイの治安当局に反発し自治権拡大を求めるマレー系の戦闘員らによる反政府運動では、これまでに6600人以上が死亡している。その多くが一般市民とされる。(c)AFP