南アフリカ、国際刑事裁判所から脱退へ
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【10月22日 AFP】南アフリカは21日、国際刑事裁判所(ICC)から脱退する意向を発表した。国際社会にとって最も深刻な罪を犯した個人を訴追するために設立されたものの問題のあるICCにとって、大きな打撃となりそうだ。
南アは昨年、アフリカ連合(AU)首脳会議のため同国を訪れたスーダンのオマル・ハッサン・アハメド・バシル(Omar Hassan Ahmed al-Bashir)大統領に対するICCの逮捕要請を拒否し、ICCと対立した。
バシル大統領に対しては、ダルフール(Darfur)紛争における戦争犯罪やジェノサイド(大量虐殺)の容疑でICCから逮捕状が出ていたが、南ア側は同大統領には国家元首として外交上の不逮捕特権があるとして逮捕を拒否した。
21日、首都プレトリア(Pretoria)で会見した南アのマイケル・マスサ(Michael Masutha)法務・矯正相はAFPに対し「ICCの訴追対象の選択には、アフリカの指導者を標的にしたがる傾向があるという見方が、アフリカにはある」と述べた。
2002年に設置されたICCはしばしば、アフリカに対する偏見があると非難されている。また米国のように、設置に関する条約に署名したものの批准していない国々の協力が得られず、苦心している。(c)AFP/Susan NJANJI