【10月21日 AFP】インド北部ウッタラカンド(Uttarakhand)州で20日、「人食いトラ」が森林警備員によって射殺された。9月以降、このトラによって現地の村人3人が犠牲となり、他3人も負傷したとされ、当局が深い森の中で大規模な捜索活動を行っていた。

 射殺されたのは3歳の雌。被害者が住んでいた村はお祭り騒ぎとなり、トラの死骸を掲げて村人たちが練り歩いた。

 ヒマラヤ(Himalaya)山岳部に位置するウッタラカンド州の森林・野生生物当局者はAFPの取材に答え、「トラの襲撃が相次いだため、村人は恐怖やパニックにさいなまれ、憤りも広がっていた」と語った。「人食いトラだとはいえ、鎮静剤で眠らせることを優先した。しかし捕まえるのに何度も失敗したため、射殺するしかなかった」と説明した。

 州内では9月初めにジム・コルベット国立公園(Jim Corbett National Park)の近くで女性がかみ殺される被害が発生。これを受けてトラの居場所を突き止めようと、森林警備員と村人が共同で44日間にわたり捜索していた。

 捜索ではゾウや猟犬も駆り出されたほか、ドローン(小型無人機)やヘリコプターで上空からの支援も行われた。

 2014年に実施された直近の調査によると、インドの保護区に生息するトラは2226頭と世界全体の生息数の半数以上を占めている。(c)AFP