【10月20日 AFP】フィリピン・マニラ(Manila)の米大使館前で19日に行われた反米デモで、警察車両がデモの参加者たちに突っ込んだ出来事を受け、フィリピン国家警察のロナルド・デラロサ(Ronald dela Rosa)長官は20日、関与した警察官数十人を停職処分にした。

 19日のデモで、警察車両は急に後退した後で前進し、少なくとも2人のデモの参加者をひいた。車両の運転手はその直後、襲撃されると恐怖し、パニック状態に陥ったと語っていた。米大使館前でのデモ隊と警官隊の衝突では、デモの参加者30人、警察官32人が負傷した。

 デラロサ長官は声明で「悲しみと怒りに包まれている」と語り、「警官隊は、こうした集会に対して最大限の寛容さを示すことを方針として定めた、厳格な命令下にある」と述べた。

 マニラ警察当局のオスカー・アルバヤルデ(Oscar Albayalde)署長はAFPに対し、今回の出来事の調査結果が出るまで、警察幹部9人、警察官40人を停職処分にしたと述べた。停職中も警官らに給与は支払われるという。

 人権団体カラパタン(Karapatan)によると20日現在、デモの参加者4人が依然として入院中だが、重体の人はいないという。

 19日のデモは、同国のロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)大統領が最近、米国との同盟関係を緩めたいと発言したことへの支持を表明するもので、数百人が集まっていた。(c)AFP